未来級=68kg?階級について考える
ボクシングにしてもキックボクシングにしても、MMAにしても階級というものがある。
ネバダ州アスレチックコミッションおよびボクシングコミッション協会が制定する階級区分に従い大概の格闘技団体はそれにならって階級設定をしている。
総合格闘技の頂点団体であるUFCは「ボクシングの全14階級は多いから男子8階級女子4階級だけで十分。それ以上は王者の格が下がる。」という事だが現状RIZINもUFCと同階級の設定をしている最中。因みに世界No.2MMA団体といわれるベラトールもUFCと同じ階級設定。
RIZINについて。最中という書き方をしたのは現時点である階級として
ライトヘビー級(-93.0kg)
ライト級(-71.0kg)
フェザー級(-66.0kg)
バンタム級(-61.0kg)
女子スーパーアトム級(-49.0kg)
の5階級のみしかなく、おそらく今後新たな階級が制定されていくのではないか。
(ベルトのある階級という意味)
日本のMMA団体でヘビー級を制定するにはまず選手がおらず、レベル的にも高くない事から今後もヘビー級が生まれる事は無いように思える。
ライトヘビー級があるのはRIZINヘビー級で活躍したプロハースカとキングモーの為。
今後も若い外国人選手の人材発掘階級となりそうだがコロナ禍では暫く動きがないだろう。
ミドル・ウェルターもヘビー級とまではいかないが同じ理由でRIZINでは誕生しそうにない。
ストラッサー起一がウェルター級を引っ張らなくてはね。
個人的な印象で、ライト級からは日本人の活躍が厳しくなる。ライトから上は外国人の階級であると認めざるを得ない。
その中でも第一戦で戦ってきた五味や岡見勇信、そして桜庭は本当に凄い選手なのだなと改めて感じる。
フェザー~フライ級(UFC:-56.7kg)はご存じの通り日本人にとっては黄金の階級。
フェザーでは現在斎藤裕が君臨しており、今後クレベル・コイケとのタイトル戦が決まっている。
...さて、これまでが前置き。
非常に長い前置きになってしまった。
前回の記事であげたRIZIN LANDMARK.1で行われる朝倉未来vs荻原京平について。
このカードが組まれるとある芸能人が「68.0kg契約というのもヤバい!」というツイートをした事で物議を醸したのだが、一体何がそうさせてしまったのか。
少し考えてみたい。
■そもそも68.0kgとは
前述した通りRIZINにはフェザー級(-66.0kg)、ライト級(-71.0kg)という正式な階級が存在する。その差は5kgと非常に大きく、選手側からしたらかなりの減量を強いられる事となる。
■縛らないRIZIN
RIZINは以前から選手に対して柔軟に対応している。それは何に対しても言える事であり、良くも悪くもである。
UFCやベラトールは階級があればその階級の中で必ず試合を組む。(フェザーならフェザー、体重落とせないならライト、といった具合に)
RIZINはそうではなく、最初から階級の枠を越えてキャッチウェイト(契約体重試合)で試合を組む場合がある。
因みにキャッチウェイトは体重超過などで仕方なく組むモノであり、最初からキャッチウェイトっていうのはメジャー団体ではあまり聞かない。
メリットは両者合意ならば柔軟に体重の設定が可能となり負担が減る。
デメリットは階級の意味がなくなる。つまり適正体重で戦った場合、キャッチウェイトの試合は指標にならない為公式試合としてはあまりあてにならない試合となる。
RIZINは以前からキャッチウェイトを積極的に行っており、選手の負担軽減をしている(のだろう。)
■なぜ物議を醸すのか
両者合意の上でキャッチウェイトをしてる選手に対しての「68.0kgというのもヤバい!!」というツイート、何がいけないのか。
結論からいうと何もいけない事はない。
ではなぜ?
ツイートした○ジサックもビックリである。
要因①未来の戦績
未来のRIZIN戦績は8勝2敗。
8勝の内4勝は68kg契約。(内3勝がKO/TKO)
8勝の内3勝が66kg契約。(内1勝がKO/TKO)
2敗とも66kg契約。
(残り1勝は70kg契約の矢地戦 )
ご覧の通り68kgで戦う戦績の方が圧倒的に良い結果を残しているのである。
この数字に目をつけたアンチ未来ファンは66kgでせずに68kgを選択する未来はどうなのか、と疑問を持っているのである。
要因②そもそも階級がある中でのキャッチウェイト
これは前述の通りだが、フェザーに落とせないならライトで試合するのが一般的。
そこに柔軟性を持たせるのは如何なものか。
アンチ未来ファンでないが格闘技ファンはこう感じる場合が多いのではと思う。
私もそのパターンで、最初からキャッチウェイトをする意味があまり理解出来ない。
RIZINを最終目標としその中で長く活躍する考えの選手にとっては選手生命等の意味も踏まえて少しでも負担を削った方が良いのだろう。
最終目標がUFCやベラトールであればキャッチウェイト契約は最初からある選択手段ではないため、なるべく控えた方が良い。
これに関しては選手どうこうではなくRIZINに対しての意見であり、キャッチウェイト賛成派が出てくる事もまぁ理解できる。
要因③○ジサックの真意
要因①②をカジサッ○は何処まで理解していたのか。
以前から格闘技ファンの中では「68kg=未来級」と揶揄してた経緯がある。
その中での「68kgってのもヤバい!!」という発言。
返信は「バカにしとるやんw」等もありカジサ○クは「本格的なフィジカルトレーニングを入れた未来選手を見られるのが楽しみって事」だと反論している。だから68kgなのだと。
ん?本格的なフィジカルトレーニングを導入する事で「68kgってのもヤバい!!」という発言は理解出来ない。
一人の格闘技ファンが「本格的なフィジカルトレーニングを入れた上で皆階級を守ってるのだが」というツイートをしているが本質をとらえてない返しをしている。
要因①②③からファンの質問に対する的確な返しが出来ず、そこから拡がり68kg問題は大きく取り上げられたのである。
物議を醸したツイート、何も非難すべき内容ではなかったが発端は意識や認識の違いという所なのか。
古参ファンはミーハーを嫌う。どの業界でも言える事である。
カジサッ○がミーハーなのか古参なのかはおいといて、芸能人が格闘技関連のツイートをし話題に上げてくれる事を我々格ヲタは感謝しなければいけない。