RIZIN28
記念すべき東京ドーム大会
そのメインカードに任されたのは朝倉未来。
朝倉未来といえばYouTubeチャンネル登録数180万人越え、知らない者はいない大人気カリスマファイター。
そりゃメインに任されるよね。
対するはクレベル・コイケ。
誰?コイケ?細いし、未来の圧勝でしょ!
豪快な未来のKO勝利に期待!!
コイケ?ま~たよく分からん外人連れてきて未来を勝たそうとしてるのか。。
本当に強いヤツ出せよ。
YouTubeから知った中高生は明日の話題の為に観賞。
テレビ付けたらRIZINあってた!って感じでただ理由なく見てる社会人やそもそもMMA否定派のボクシングヲタは、日本MMAではよく見られる噛ませ外国人に飽き飽きしながら「この相手強いん?」と思いながら観賞。
結果はクレベル・コイケが2R一本勝ち。
未来は初の失神一本負け。
この衝撃にどれだけの視聴者がショックを覚えたのだろう。
今まで鮮やかな勝利を収め人気とカリスマ性を確立してきた未来、一本負け、ましてや失神して敗北するなどライトファンは微塵も思っていなかっただろう。
特にYouTubeから入ったファンは絶望に浸ってる最中ではなかろうか。
これがMMAである。
「1Rクレベルをぐらつかせた!あの時たたみかけておけば...。なぜいかなかったのだろう」という声もあるが、あれはいかなかったのではなくいけなかった。真実はこれだけ。
言い訳的な考え方をすれば、慎重に、冷静に試合運びをする未来のファイトスタイルが今回は仇となった。海の様に瞬間的爆発力でラッシュを掛けたらTKO勝ちしてたかもしれないのに。
一方、チャンスと見てラッシュを掛けた所一瞬の隙を突かれると読んだリスクマネジメント、「あの時ラッシュを掛けなかったからあの場面で一本取られずに済んだ」とポジティブな変換も出来る。
たられば話は不毛。
柔術というスキルは非常に厄介なもので、テイクダウンを取られない様、組みつかれバックを取られない様、引き込まれない様、常に打撃以外のアクションを警戒しなければいけない。
柔術しかできないならまだ良いが、クレベルは加えて変則的な打撃がある。
タックル+柔術+打撃を常に警戒しながら戦う未来は全ての動作に対して警戒する必要があり、それが精神的にプレッシャーを掛けられスタミナも削られていく。
インローも効いていた。
カットしないからダメージが蓄積されたのだろう。
2Rは頭から完全にクレベルのペースである。
ストライカーの未来がプレッシャーに充てられてコーナーに詰められているのである。
三角締めにより完全決着となったこの試合、未来はしっかり対応していた様にも見える。
並のファイターなら極められなかっただろうがそこが目測を誤った所。
クレベル・コイケは並のファイターではない。欧州最大とも言われるMMA団体「KSW」の元チャンプだ。
ライト層は戦前、未来勝利を確信していただろうが、格ヲタはクレベル勝利を予想してた人が多いのではないだろうか。
未来幻想は打ち砕かれた。
クレベル・コイケ。一夜にして評価を爆上げした男。
「MMAにはこういう奴もいるのか」と思った方もいるはず。世の中には化物がたくさんで、UFCというMMA団体世界最高峰は猛者の集まりだ。
UFCランカーは打倒極(打撃/レスリング/柔術)標準搭載は基本、その中で突出したものを皆持っている。
クレベルがUFC挑戦したとして何処まで行けるかは謎だが、少なくとも楽に勝ち上がる事は間違いなく不可能。
クレベルレベルがゴロゴロいるUFC、そこと大差ないと思っていた未来。
「マックス・ホロウェイ(当時王者)と差はないと思っている」
「アジア人で一番活躍してるコリアンゾンビ(フェザー5位)と闘りたい」
「マクレガー(フェザー/ライト元王者)と闘りたい」
ホロウェイもコリアンゾンビもマクレガーも未来と同じストライカーだからこそ闘りたいと思ったのだろう。
今回のクレベル戦で思い知ったのではなかろうか。
だからこその引退発言。(撤回してるが)
今までは団体関係者を中心に皆で未来の御輿を担いでいたが、今後は地に足着けて真のカリスマファイターとなる事を期待している。
Twitter:@24nobyukie